前回はシンプルライフについて「モノから始めるな」というシンプルライフの考え方と「男は直線、女は曲線」というシンプルライフの取り組み方についてお話ししました。今回もシンプルライフへの取り組み方をお話しします。
3.「寝・食・職」を分ける
在宅ワークを行うにも暮らしている環境は人それぞれ異なります。まず考えなければならないのが間取りと家族構成です。一方で環境が異なっていても必ず寝る場所と食べる場所があります。食事は外食だけという場合は自宅=寝る場所となります。
家族がいる場合は、自宅を家族と共有する時間があり、時間単位で共有か専用か、それとも未使用かに分けられます。とは言っても親子でもプライバシーがあり、夫婦でもここは自分の場所というスペースがあると思います。
自宅の間取りではLDKを1部屋と考えることができ、その他に寝る場所があります。つまり「寝食分離」の家が多く、「職」が独立して自宅にあるほうが少ないと思われます。在宅ワークを行ったときには、自宅で1時間いる場所が「寝・食・職」の3ヵ所に分けられます。
職住分離と寝食分離
職場と自宅が分かれているのが「職住分離」、自宅の中で寝る部屋と食事をする部屋が分かれているのが「寝食分離」です。同じ部屋で「寝る・食べる・働く」を時間帯ごとに分けて使う人は「寝食職分離」となります。ただ明確な分け方ができるとは限りません。
意図的に分離をしなければなかなか「職」を分離することは難しいと思います。例えば、四角い部屋の3面を「寝・食・職」に分けてはどうでしょうか。2面しかない場合は「寝」と「食+職」に分けます。さらに時間帯別に分けるために移動式にすることもできます。
その他にも部屋の隅のコーナーに仕事スペースをつくることができる場合は、作業用とオンライン会議用、パソコンスペースと手作業スペースのように分けることもできます。
「寝+職」と「食+職」
ダイニングテーブルで仕事をするときは生活の場が目に入らないようにしたほうが集中できます。家族の様子をうかがいながら仕事をしたいと思っても、どちらかが疎かになりがちです。むしろダイニングテーブルで仕事をするときは生活の場が目に入らないようにしたほうが食と職を分離できます。
寝室で仕事をするときも同じようにベッドが目に入らないように仕事スペースを確保するべきです。寝室はリラックスする場所ですので、緊張感が伴う仕事とは相反する場所です。パーテーションのような明確な区切りを設けることで寝職分離が可能になります。
では家族と過ごしながら仕事をするにはどのようにすべきなのでしょうか。
【番外編】 家族と過ごしながら仕事をする方法
職場側の対応(職場側に要求すること)
- 新型コロナでの一時的な対応か、継続的な対応か
- 職場で仕事できる時間を長くすること(例 6時~23時)
- 土日祝も仕事ができるようにすること(例 休日シフト)
- 有給休暇の取得をすること(例 誰か1人が有休)
※職場で働くことが可能な時間を広げる
家族への対応(家族に要求すること)
- 在宅ワーク宣言をする(例 休日の自分とは違う)
- 自分の仕事を知ってもらう(例 どんな業界・業種・職種・職位)
- 職場での仕事の仕方を知ってもらう(例 出社から退社まで)
- 家族の意見を聞く(例 家族の協力が必要)
※在宅=休日という固定観念をなくす
自分で行うこと(在宅ワークに向けて)
- 通勤時間を家族か仕事への時間に振り替え(例 趣味・飲みは不可)
- 仕事時間を短縮する(例 職場で8時間を自宅では6時間)
- 集中とコミュニケーションの時間分け(例 電話とオンライン会議)
- 仕事場所の確保(例 ひとりになる時間は仕事時間に)
※仕事に集中し仕事時間を短くする
ひとりひとりの仕事をする環境も条件も違います。すべての人が同じ方法をとることはできません。特に在宅ワークを初めて行う場合は自分だけでなく周囲にも理解を求めることが必要です。自分も変わる、家族も変わる、職場も変わることを前向きに考えなければ在宅ワークは形だけになってしまいます。
特に重視したいポイントが3つあります。
- 在宅ワークは職場主導で行う、
- 家族の協力なくして在宅ワークはできない、
- 在宅ワーク新人だと自覚する(経験・キャリア・ノウハウが役に立つとは限らない)
家族と過ごす時間と仕事時間を同時に行うことは簡単容易なことではありません。在宅ワークではあれもこれもしようと考えずに、それぞれの時間を短い単位で区切れるように組み立てるような工夫が大切です。仕事と生活を短時間のサイクルで回すこと、これが在宅ワークのコツです。
次回も引き続き在宅ワークとシンプルライフの続きをお話しします。